CSR報告に関する国際調査2011
2011年11月
KPMGは、「CSR報告に関する国際調査2011」を実施し、その結果を発表しました。
KPMGによる「CSR報告に関する国際調査2011」は、企業によるCSR報告に関する国際的な調査であり、1993年以来、この分野の調査としては最も広範囲なものとして3年毎に継続して実施され、今回が7回目の調査となります。今回は、フォーチュン・グローバル500社のうちの上位250社(以下「G250企業」)と世界34カ国※1 における売上高上位100社(以下「N100企業」)を対象とし、これらの企業が発行している報告書に基づき調査を実施しました。
今回の調査結果より、主に次のような事実が明らかになりました。
- G250企業の95%がCSR報告を行っており、前回の2008年調査時の83%から12ポイント増加している。世界の大企業においてCSR報告はもはや当然のこととなっている。
- N100企業の64%がCSR報告を行っている。調査対象国が22カ国から34カ国に拡大しているため、2008年調査と2011年調査の両方の調査の対象になっている国だけで比較すると、N100企業は54%から78%に24ポイント増えている。
- CSR報告を行っている企業の割合で比較した場合、英国(100%)と日本(99%)が上位2カ国であることは前回調査と変わりないが、南アフリカが前回の45%から97%に大きく増加し、3位となっている。これは、南アフリカにおいて2010年に発効したキング委員会によるコーポレート・ガバナンス・コード(King III)の影響が大きい。
- 南アフリカの他にも、ブラジル(88%)、ナイジェリア(68%)、メキシコ(66%)のように、CSR報告を行っている企業の割合が高い発展途上国があり、CSR報告はもはや先進国企業だけの現象とは言えない。中国でも上位100社中の59社がCSR報告を行っている。
- CSR報告を行っているG250企業の80%、N100企業の69%がCSR報告書の作成基準としてGRIガイドライン※2 を用いている。GRIガイドラインは既にCSR報告を行う上での「事実上の標準」とみなされている。
- CSR報告を行っているG250企業の46%が第三者保証を受けており、2008年調査から6ポイント上昇している。
- インド(80%)、韓国(75%)デンマーク(65%)、スペイン(65%)、イタリア(64%)において、第三者保証を受けるN100企業の比率が高い。一方で、日本のN100企業において第三者保証を受けている企業の割合は23%にとどまっており、世界の水準と比べて低い状況にある。
- G250企業の3分の1、N100企業の20%以上がパフォーマンスデータの過年度修正を行っている。過年度修正の理由としては、推計や算定の方法の改善(44%)、報告範囲の拡大(42%)、誤りの修正(35%)、指標の定義の変更(28%)が挙げられている。第三者保証を受けている企業のほうが過年度修正を行っている比率が高いことから、第三者保証のプロセスを通じて誤り等が発見され、修正が行われているケースが少なくないと考えられる。
KPMGのサステナビリティ保証のグローバルヘッドであるヴィム・バーテルズは、以下のようにコメントしています。
「財務情報の開示とは異なり、CSR情報の開示は当局による規制の対象外にある。過年度数値の修正は財務報告と比較して4倍もあり、財務報告の世界とはまだまだ開きがある。しかし、企業にとって、CSRはもはや道義的な理由で取り組むものではなく、ビジネス上の重要課題の一つとなっている。CSR情報を報告するための社内の仕組みを財務報告と同等の水準にまで高める時期が来ている。高い品質のCSR情報の開示が求められており、情報を利用するステークホルダーの信頼を保つために第三者保証の利用が求められている。」
- ※1
- 34カ国には、以下の国が含まれる:オーストラリア、ブラジル、ブルガリア、カナダ、チリ、中国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、インド、イスラエル、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ナイジェリア、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、シンガポール、スロバキア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、ウクライナ、英国、米国。原則的に各国から売上高規模による上位100社が選定されている。
- ※2
- GRIガイドライン:企業などが持続可能性報告書を発行する際に、その組織の経済・環境・社会の三側面のパフォーマンスを開示するための枠組みであり、事業者の持続可能な社会に向けた方針策定、計画立案、具体的取組等を促進するための世界共通のガイドラインである。
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