日本におけるサステナビリティ報告2010
2011年2月
あずさ監査法人およびKPMGあずさサステナビリティは、2010年10月の時点で日経225の構成銘柄となっている225社の日本企業が、2009年および2010年に発行したサステナビリティレポートを対象とし、報告の実態を調査しました。調査結果からは、主に次のようなことが明らかになりました。
- 225社のうち197社(88%)がサステナビリティレポートを発行している。
- サステナビリティ報告を行う媒体は多様化しており、印刷媒体の冊子を作成し、PDF形式のレポートをウェブサイトからダウンロードできるようにしているだけでなく、HTMLの形式を組み合わせて情報を開示する企業が増加している。
- サステナビリティ報告を財務報告に統合したアニュアルレポートを発行している企業は、サステナビリティレポートを発行している企業の5%未満であり、まだ大きな流れになっているとは言えない。
- 多くのレポートが、環境省の「環境報告ガイドライン(2007年版)」とGRIの"Sustainability Reporting Guidelines 2006"(GRIガイドライン)の2つのガイドラインを参照している。GRIアプリケーションレベルの自己宣言を行っているレポートでは、A+やB+のアプリケーションレベルを自己宣言するレポートが増えている。
- サステナビリティレポートを発行している企業のうちの34社(17%)が第三者保証を受けており、前年の15%から増加している。34社のうち25社(74%)のレポートに対しては、監査法人系の会社が保証を提供している。
- 環境パフォーマンス指標については、40%以上が親会社と国内・海外の主要グループ会社についてデータを開示しているが、社会パフォーマンス指標について親会社と国内・海外の主要グループ会社の範囲でデータを開示しているのは、23%にとどまる。
- 2010年のレポートでは、43%の企業が何らかの形で開示情報の決定プロセスについて説明を行っている。
- サステナビリティレポートを作成している企業のうちの70%以上は、レポートの中でステークホルダー・エンゲージメントに関して何らかの形で言及している。重要なステークホルダーのリストを記載しているレポートが最も多い。
- 目標を設定せずに実績のみを開示しているレポートは減ってきているが、環境的側面についてのみ目標を設定している企業が依然として多い。
- 160社(レポートを発行している企業のうち82%)が温室効果ガス排出量の削減目標について開示しており、総量目標を設定する企業が増えている。スコープ3排出量を開示する企業は少しずつ増えている傾向にあるが、開示していない企業が過半数であり、開示をしている場合であっても、国内の委託物流に起因するCO2排出量の開示に限定されている場合が多い。
- 生物多様性に対する方針や取組みについて開示する企業が増えており、生物多様性に対する取組みについて何も言及していないレポートは少数派となっている。